8.物件の選び方3(物件資料の取り寄せ、相場家賃の調査)

物件の選び方

 採算計算をして「いい物件」見つけた!と思っても早まらず一呼吸置いて下さいね。ここでは採算計算の次のステップである「物件資料の取り寄せ」「相場家賃の調査」について書いています。この記事を読むとこれらの注意点、コツが分かるようになると思います。

資料を請求しよう

 採算計算してみて自分的に「あり」だと思ったら、すぐに不動産業者へ電話(or夜間ならサイトを通じてメール)しましょう。問い合わせ内容としては以下の4点です。
 1.物件がまだ残っているかどうかを確認する。
 2.資料を送って貰う
 3.提携金融機関の有無、おおよその金利を確認する。
 4.両手取引なのか片手取引なのかを確認する。

 1については、一番大切な情報です。物件が残っていなかったら購入できないので必ず状況を確認しましょう。客寄せ用の釣り物件だったということもありますが、いい物件は本当にすぐになくなるため、残っていない可能性もあります。もう買付が出されていれば購入出来る可能性は低いです。もちろん、1番手の人がローン利用でかつ、こちらが現金購入であれば可能性があります。しかし、このサイトの不動産投資のメリットにも書いている通り、「融資を受けずに購入するなんてとんでもない!」ので止めましょうw あと、このときに不動産業者からよく言われるのが、「他のお客様からも多数お問い合わせをいただいておりますで、すぐに購入されることを~」の決まり文句です。いい物件はすぐになくなりますが、そのときは縁がなかったとすっぱり諦めて次を探せばいいのです。買付書は確認すべきことを確実に確認してから出しましょう。

 2についてはそのままの意味ですが、こちらも送って貰ったら内容を確認しましょう。
確認するのは住所、広さ、間取り、方角です。物件の住所や間取りを間違って、掲載している業者もいます。Google等で所在地とマンション名が合っているか、広さ・間取り・方角についても下記に記載している賃貸検索サイトで同じ建物の他の部屋等を参考にして、合っているか確認しましょう。同じ間取りの部屋がなくても、Googleストリートビューでベランダがどの方角かは分かりますし、角部屋かどうか等も確度を持って判断できます。
 住所や間取り、広さが間違っていたら物件資料としては致命的ですので、再度不動産業者へ確認し、修正された資料を送ってもらったら再確認しましょう。

 3については、自分で金融機関のアテがあるのであれば問題ありませんが、提携金融機関の方が条件が良かったりすることもあります。選択肢は多いに越したことはありませんので、情報として仕入れておきましょう。

 4については、まず簡単に「両手取引」、「片手取引」の意味を解説します。
  両手取引・・・広告掲載の業者が売主から直接仲介する取引
  片手取引・・・広告掲載の業者と別の業者が売主と仲介する取引
 詳しい形態については別の機会に書きたいと思いますが、両手取引の業者であれば売主との情報のやりとりが早く、取引期間を短縮できる傾向にあります。もし同じ物件で複数の広告が出ていたら、私は両手取引と思われる業者を見つけ、極力そちらに買付書を出すようにしています。(両手取引自体は、売主・買主双方にデメリットを受けやすい取引形態ですが、今の日本の法律では禁止されていません。このあたりの事情も別の機会で書きたいと思います。)

 以上が物件問い合わせ時に確認する内容として紹介しましたが、慣れないうちは4については、直接売買自体には影響が少ないため、良く理解していない状態であえて確認する必要はありません。1~3についてはしっかり確認するようにして下さい。物件資料を取り寄せしたら、次は相場の確認です。

相場家賃を確認しよう

 前回までは不動産業者からの資料・情報に基づいて採算計算をしていました。果たしてそれだけで問題ないのでしょうか。そんなことはありません、2点注意が必要です。
  1.実際は空室で想定家賃で利回りが記載されていないか。
  2.現賃借人が相場より明らかに高い家賃で住んでいないか。
この2点を確認する必要があります。これらのケースの場合、家賃が想定していたほど取れなくなる可能性が非常に高く、毎月のキャッシュフローが思っていたほど得られなくなります。そうなると投資として失敗してしまう可能性が高くなります。

 まず1のケースは物件資料をきちんと確認すれば解決する話ですので、確認しましょう。前にも書きましたが、不動産業者は物件を売るために実際よりも良く見せようとしますので、想定家賃は全く信用できません。そのため、このような家賃で採算計算することは意味がありませんので、相場家賃を把握する必要があります。

 次に2のケースですが、これが曲者です。新築時のプレミアム価格でずっと入居している賃借人の場合が多いですが、中には不動産業者の関係者が物件が売れるまでの間だけ住んでいて、誰かが購入したらすぐに退去するパターンもあります。少なくとも長期でその賃料で住んで貰える可能性が低いため、ケース1同様に相場とかけ離れた家賃で採算計算することはリスクとなります。

 ではどうするのかというと、有名なSUMOやホームズの賃貸検索サイトで相場を調べればいいのです。購入を検討している物件の属性(最寄り駅からの徒歩、広さ、築年数、階数、バス・トイレ別かどうか)といった条件で絞り込みをかければ、おおよその賃料相場が見えてきます。賃貸の相場家賃というのは、その都市への流入・流出人口だけでなく、新築マンションが立ったり、老朽化したマンションが解体されたりといった物件数自体によっても当然変わってきます。真の相場賃料というのは日々刻々と変化しているので正確に把握するのは難しいので、おおまかに把握すればOKです。同じ階でも角部屋であれば+2,000円、階数が上がれば1階につき+500円くらいされるのが相場です。
 敷金・礼金についても一緒に把握しておきましょう。敷金は滞納したときや退去したときの保険代わりになりますし、礼金は純粋にこちらの儲けとなります。昔は敷金2ヶ月、礼金2ヶ月(2ヶ月とは家賃の2ヶ月分の金額を意味します。仲介手数料も家賃を基準にして報酬を支払います。)が常識だったのですが、今は投資物件が大幅に増えたせいもあり、敷金・礼金両方なしなんてことはざらにあります。敷金・礼金(特に礼金)が取れる地域は大家に取っては助かりますが、採算計算をするときは敷金・礼金は貰えない前提で計算しましょう。
 ちなみにここで家賃と記載しているのは、大家さんへの毎月の支払い額のことを言っています。サイトや物件によっては賃料、共益費と別記載になっていると思いますが、これらは合計して計算します。この賃料と共益費は何が違うのかについては賃貸募集するときの回で詳しく書きますが、不動産業者への仲介手数料が変わってきます。とりあえず大家に最終的にいくら入ってくるかが大切ですので、賃料と共益費は足し算して相場を把握して下さい。


 これで相場家賃を把握して正確にキャッシュフローを算出して採算計算することができました。毎月のキャッシュフローが問題なければ、次は物件の現地調査です。現地調査については次回にしたいと思いますので、今回はここまで。ではでは^o^/~。

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