今は不動産バブルなのか?

コラム

 今回は完全に個人的な意見だけを記載していますので、「印紙」の回と同様にコーヒーブレイク感覚でお読みいただければと思います。

2021年7月時点の不動産価格はバブルなのか?

 まず結論から言いますと「まだバブル状態ではない」「バブルが産まれた時期」と思っています。以下長いですが、その結論に至った考察を書きましたので興味のある方はどうぞ。ちなみに物価指数と不動産価格は連動していませんが、それは医療費やスマホ代、人件費を含め、据え置きor下落しているものがあるから不動産や株の高騰が打ち消されているのだと思っています。

 2013~2021年は不動産価格がかなり上昇し、この間に一棟などに投資した人の一部には億り人になった人もいます。逆にそれ以前だとリーマンショックがあったことから、このような人はほとんど聞きません。つまり短期売買(キャピタル狙い)した場合、市場や景気によっては億り人に成るような成功を掴むことが出来ますが、失敗すると破産する可能性もあるということです。これは株などにも当てはまると思っていて、リーマンショック前では実態として価値がないものを価値があると思って借金して所有していた人が返済出来なくなって破産した訳です。

 今回のコロナ期間(2020/1~)で劇的に株・不動産・コモディティ等が軒並み高騰しました。これは全世界的に紙幣が増刷され貨幣価値が下がったためだと考察しており、この考察が正しければ現状はバブルでも何でもなく、単に物価が正当に上昇しただけと考えられます。現代は通貨が紙幣or電子データなので実感しにくいですが、江戸時代の小判やヨーロッパ中世の銀貨等をイメージすると分かりやすいと思います。歴史の過去の政府は財政が苦しくなるとどうしたかと言うと、小判中の金の含有量を減らして小判を水増ししたり、銀貨中の銀の含有量を減らして通貨を発行し財政難を一時回避してきました。「悪貨は良貨を駆逐する」を行うことで市民が所有している通貨の価値を一方的に下げて、自らの懐を暖かくした訳です。これをするともちろん物価が上がる訳です。いや、正確に言うと通貨(貨幣)の価値が相対的に下がっただけなのですが、それが一般市民は分からず物価が上がったと言っている訳です。

 では、金本位制が崩れて久しい現代では通貨は完全な紙幣だし、小判や銀貨みたいなことは出来ないんじゃないの?と言われそうですが、どうでしょうか。日銀やFRBは通貨流通量をコントロールして物価をコントロールしています。紙幣を印刷しまくったりするとジンバブエみたいなことになるから、コントロールしているのです。ところが日本ではアベノミクスを初めとしてずっとETF買いを継続し、コロナを理由に世界各国は、給付金という「バラマキ」や「コロナ融資」で通貨流通量が大幅に増加してしまいました。背景は違うものの、やっていることは何ら変わらないのです。となると通貨価値は当然下がるので、物価の見た目は当然上がりますよね。政府がバラマキした通貨を回収する(金利を引き上げたり、増税をする)と大暴落が発生するため、政府は積極的にはしないと思われます。となるとリーマンショックのサブプライム層がそうであったように返済できずに債務不履行が大量発生するまで現状が続くと思われます。

 ではバブルが弾けるのはいつなのか?もちろん誰にも分かる訳はないのですが、私としてはいくつか指標があると思っています。不動産で言えば家賃とのバランスです。不動産価格が一人歩きしてバブルとなるのは、実態の家賃とかけ離れた価格で売買され始めたときだと思っています。家賃収入で金融機関への返済が出来なくなると差し押さえが発生し、不動産のバーゲンセールが開始されます。つまり家賃でローン返済が可能な価格帯なのであれば、差し押さえは発生せず、その価格帯は維持されると考えられます。
 私としては、現状東京の不動産価格は家賃と乖離してきていると思っています。特にワンルームは中古であっても、法定耐用年数の残存年数相当のローンを組めたとしても、家賃に追金をしないと返済できない物件がほとんどであり、危険域だと思っています。ここへ海外マネーが流れ込んで、さらに上昇するようであれば、そのうち返済できずに債務不履行となる「素人」が大量発生し、相場が崩れて大暴落が発生すると思われます。とはいえ、金融機関もバカではないでしょうから、現状の東京の物件に対して頭金を取るor貸付対象を厳選する等を行っており、融資が閉まってきていると聞いています。
 また上記で記載した通り、通貨流通量が水増しされているため、物件価格が上がっていますが、これからは家賃がそれに追従する形で徐々に上がっていくと思っています。私が所有している物件もここ5,6年で、入れ替わりがあった物件は1軒を除いて全て家賃が上がっています。消費税増税もその理由の一つではあるのですが、入居者の入れ替わりのタイミングでのみ家賃の見直しが行われるため、不動産売買価格に遅れて家賃が上昇すると考えています。
 そして家賃が上昇すると利回りが良くなり、返済が出来てしまうため、また物件価格が上がることになります。つまり、コロナバラマキによる物価上昇が家賃へ反映され終わるくらいまでは、大暴落は発生しないと思っています。家賃がバラマキによる物価上昇をある程度完了したときに、継続して海外マネーが流入orスルガ銀行のようなジャブジャブ融資が存在していれば、バブルが成長しその後弾けると思います。

 以上長くなりましたが、今はまだバブルが膨らんでいる状態ではないと思っています。テレワーク等の要因で都心家賃がそこまで上昇しないのであれば、早まるかもしれません。既に地方は一部で入居率が苦しくなってきていると思いますので、地方でよくある「実勢価格<<路線価」の物件に路線価相当で融資している案件で差し押さえが始まり、銀行が債権を回収できなくなり(不良債権)、それが重なってキックになり大暴落が始まるかもしれません。


 今回はバブルかどうかについて書きましたが、次回はインカムかキャピタル狙いで行くべきか、長期保有or短期売買の比較等について思っていることを書く予定です。では~。

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