16.物件の管理1

物件の管理

今回はシリーズ最終回の物件の管理についてです。物件の管理で気を付ける点について記載しています。貸借人退去時の対応と客付けについて2回に分けて記載しています。

賃借人退去時の対応

 賃借人の退去で確認する必要があるのが、以下の3点です。
  ・退去理由
  ・設備の不具合
  ・清掃の有無

〇退去理由
 本当のことを言って貰えるかは分かりませんが、真っ先に退去理由を確認しましょう。経営者としてお客様満足度の確認は重要ですので、住居環境の不満によるものであれば改善が必要となります。(住居に関する不満が原因であれば、退去の前にクレームが来るはずですので、迅速に対応していれば問題ないと思われますが。)
 良くあるのが、結婚、転勤、親と一緒に住む等の理由です。この手で理由であれば経営者としては安心です。もし近隣の騒音、異臭等であれば、解消できない可能性もありますが、今後の家賃設定にも影響するため、情報として入手しておく必要があります。
 
〇設備の不具合
 設備の不具合については、老朽化や経年劣化によるものなのか賃借人が破損させたのかを見極めて、賃借人が破損させたものについては弁償してもらう必要があります。逆に経年劣化による水漏れ・故障等は大家負担ですので、賃借人からできるだけ聞いておいて、この機会に修繕しておきましょう。
 中古物件を購入する場合、空室物件を選択しない限り賃借人が住んでいると思います。そのため入居時の状態が分かりませんが、以下の場合は弁償して貰いましょう。

 ・障子、襖、網戸が大きく破れている場合
 ・畳の汚れ、傷がひどい場合 
 ・壁紙の汚れや破れが酷い場合(主に子供の落書き、煙草のヤニ等)
 ・お風呂、台所、エアコンなどがカビだらけの場合(手入れ不足・煙草起因のもの)
 
 障子、襖、網戸、畳等は消耗品の扱いなので、全額請求しても問題ありませんが、壁紙やエアコン等は減価償却を考慮した金額を請求をする必要があるため注意が必要です。詳細については、他サイトさんや国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参照いただいた方がいいかと思います。
 とはいえ、どこまで正確に計算するかは、大家さんと賃借人によると思います。各部の損傷具合はどうしても主観が入ってしまうでしょうし、双方がある程度納得していたらいいのではと思っています。

 ちなみに大家さんによっては、この修繕費用に手数料を上乗せして請求されている方もいます。実際業者の手配や立会で労力が掛かっているため、当たり前といえば当たり前なのですが、私は上乗せに対する退去人からの問合せ対応が面倒だと思っているので、領収書のコピーを添付した上で、負担割合を考慮して実費精算という形を取っています。(私の場合、個人経営の法人を通して清掃を発注し、法人名義で領収書を発行すればいいだけの話なのですが・・・)

〇清掃の有無
 引渡のときには、賃借人が部屋を清掃したかどうかを確認しましょう。引渡しのときに部屋の隅に埃が積んでいたりして、明らかに清掃していないのが分かる場合は、清掃費を請求しましょう。基本的に入居前のときと同じ状態で退去してもらうことが前提ですので、部屋が汚れた状態のまま退去されるというのはNGだということを伝えましょう。そして、清掃費の支払いが無理であれば、引渡日当日中に掃除機やホウキで最低限掃除してもらいましょう。(実態としては、引越が終わって荷物が一切ないでしょうから、賃借人が清掃するのは実際ほぼ不可能なため、清掃費を支払ってもらうことになるとは思います。)

以上が退去時に注意する点となります。

入居時については、特に注意する点はないと思っています。そのため、いつも賃貸の客付けして貰った不動産業者に鍵を渡して、入居対応をして貰っています。

物件修繕

 物件の修繕についてです。基本的には、賃借人が退去した後に実施するか、賃借人から連絡を受けたときに実施します。特に多いのが、エアコン、給湯器、換気扇、水回りです。また、賃借人が退去したときの網戸、障子、壁紙張替、清掃なども該当します。

 私は電気工事士を持っているので、お風呂の換気扇や電気のスイッチ取替程度なら自分で取り替えています。ただし、エアコンや台所の換気扇取替となると真空引き等専用道具が必要であったり、高所&重量物のため2人作業でないと危険なこともあるため、業者へ依頼するようにしています。

 〇清掃と電気工事について
 清掃業者と電気工事業者は、最近CMもやり始めている
 ・くらしのマーケット
  https://curama.jp/
 で見つけています。ただし業者の質はピンキリですので、いいなと思った業者を見つけたら、記録しておきましょう。特に関西エリアでは電気工事業者のハズレ率が高い気がします。(台所の換気扇取替や天井の配線修理ができず帰ってしまう業者に2連続で当たってしまい、仕方なく天井の配線は自分で修理したことがあります。)
 この業種は安定していないのか、前回良かったからと思って1年後にリピ依頼の電話をしてみると「廃業しました」ってことも何回かありました。下記の水回りの業者のように管理会社に聞いた方がいい場合もあると思います。

 〇水回りについて
 水回りの業者については上記のサイトではなく、マンション管理会社に紹介して貰いましょう。昔ネットで探し当てた業者に依頼したら、数十万円をぼったくられた苦い経験があります。それ以来、マンション管理会社の紹介を受けて少々高めでも信頼性のある業者に頼むことにしています。
 マンション管理会社に紹介して貰うメリットとしては、
①あんまり酷いぼったくりをすると私からクレームが入り、マンション管理会社との関係にも影響するため、ぼったくりされない
②それなりに仕事が出来る業者でないと提携していないと思われるので、仕事の質においても安心できる
 の2点が挙げられます。実際に私はその業者を採用してから、水トラブルはきちんと1回で解決してくれています。(当たり前と言えば当たり前ですがw)

 いきなり1棟や戸建てのオーナーになられた方だとマンション管理会社は存在しないと思いますので、そういうときは仲介してくれた不動産業者に紹介して貰うのがいいと思います。不動産業者が紹介するので最安ではないでしょうが、これから将来に渡って空室時の客付けを任せて貰える可能性がある大家に対してある意味売り込めるチャンスですので、それなりの業者を紹介くれると思います。

 〇壁紙、障子、襖について
 くらしのマーケットよりは、ネットで探した方がいいと思います。私はたまたま地場の業者を見つけたため、そこに全て依頼しています。こういうのは、管理会社の紹介でもいいとは思いますが、専門知識が不要なこともあり、そこまで質にこだわらなくてもいいと思うので価格重視でいいと思います。また壁紙については自分で張替するのもいいかもしれません。下の写真は所有物件の1つなのですが、壁紙の一部だけが汚れており、全面張替するのが勿体なかった事例です。

 左が修繕前で、右が修繕後です。普通に業者に頼むと白い壁紙で全面張り替えされてしまいますが、自分でやるとこういったデザイン性を持たせるレイアウトにすることも可能です。そのためDIYを楽しめる人であれば、不動産事業というのは天職かもしれません。
 ただし、このとき壁紙の張り替えも妻と二人で実施したのですが、ホームセンターで資材や工具を調達する時間を含めると軽く12時間以上掛かりました。また、私は車を所有していなかったため、脚立や壁紙等の資材を運搬するのにカーシェアを利用したのですが、時間がオーバーしたため結構なお値段いきました(涙 正直業者に頼んだ方がコスパはいいと思いますが、自分でやってみることで次から業者に頼むときにもイメージしやすいし、やって良かったとは思っています。
 業者に頼むにしても、事前に上記のレンガ風壁紙等を調達しておいて渡しておけば、やってくれるとは思いますので、デザイン性を持たせて差別化を図りたい人も問題ないと思います。


 本当は今回で終わりにする予定だったのですが、書いてみると意外に書くことがあったので、客付けについては次回にしたいと思います。

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